受賞コメント建築空間の機能担保に必要不可欠な以下3つの要素を取扱い、組み合わせ方を工夫することによって、空間自体がサインとなり、目的地へ自然と足を運べるようなデザインを意図しました。
① 空間の照度を確保するベース「照明」
② 港区みなとモデル二酸化炭素固定認証制度により一定量以上の使用が義務付けられた「国産木材」
③ 目的地を示す「ピクトサイン」
この建物は、精巧な機械製品を製造するグローバル企業の新本社ビルということもあり、企業アイデンティティである「精緻さと力強さを兼ね備える」を建築デザインによって表出することが求められました。国内外から多数の来訪者がある企業にふさわしい空間として、エントランスホールから各階の担当者のいる場所までの来訪者のアプローチに重点を置き、「精緻さ」と「力強さ」という一見すると相反するイメージを、細い部材の集合体によるデザインによって表現しました。
照明・国産木材・ピクトサインの各機能を横断的に組み合わせ、天井・壁といった空間単位に、15mm~30mmという繊細な幅の部材を幾重にも反復させることで、無駄をそぎ落とした解像度の高い空間自体に、来訪者を導くサインとしての機能も備えさせることができたと考えます。